スタッフブログ すずのね

シリーズ・徒然読書録~鎌田浩毅著『富士山噴火と南海トラフ』

あれもこれも担当の千葉です。

 

読書は好きで、常時本を持ち歩く癖が付いてしまいましたが、読み方は極めて

大雑把、何かしら記憶のどこか、心の片隅にでも蓄積されていれば良いという

思いで雑然と読み流しています。暫くするとその内容どころか読んだことさえ

忘れてしまうことも。その意味で、読書の皆様には退屈でご迷惑かとも恐縮し

つつ、ブログに読書録なるものを記してみるのは自分にとって有益かも知れない

と思い、始めてみました。皆様のご寛恕を請うところです。

 

徒然なるままに読み散らす本の中から今回取り上げるのは、蒲田浩毅著、『富士

山噴火と南海トラフ~海が揺さぶる陸のマグマ』(講談社・ブルーバックス)。

ブルーバックスは物理・化学を中心に自然科学の入門書として長くに亘って国民

の知的欲求に応えて来た優れたシリーズで、文化系頭の私も理解もできないまま

に(量子力学?エントロピー?)、中学・高校の頃からよく手に取ってきました。

 

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日本は世界有数の火山国・地震国ですから、頻繁な地震や火山の噴火は当たり

前と言えば当たり前なのですが、あの3.11以来、とりわけ東南海地震や首

都圏直下型地震、富士山の噴火の話題が多くなっています。本著は、まさに富

士山噴火を3.11や東南海地震との関連で解説した概説書となっています。

 

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二部構成の前半では、有史以前からの富士山や世界の多くの火山噴火の歴史・

実例をもとに、火山噴火で起きる種々の災害(火山灰、溶岩流、噴石と火山弾、

火砕流と火砕サージ、泥流)の概要を解説し、今後の富士山噴火で起こり得る

被害の想定と防災対策なども論じています。そして後半では、富士山噴火の仕

組みと過去の噴火の概要、3.11が日本列島に与えた影響、富士山噴火と東

南海地震の関係、富士山噴火予知の現状などが記されています。

 

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著者の論旨を纏めてみれば、①3.11によって300年の平静を保っていた

富士山直下のマグマ溜まりに異変が起きて、いつ噴火が起きてもおかしくない

状態となった。②東南海トラフの巨大地震は必ず起こるもので、富士山噴火と

連動する(同時という訳ではないが)かも知れず、被害は長期・甚大となる恐

れがある。③富士山には日本人の心の故郷とも言うべき恩恵があるように、日

本列島にある111個もの活火山がもたらす災いと恵みは表裏一体のものであ

り、怖れ忌み嫌うばかりのものではない、と言ったところでしょうか。

 

 

尚、富士山のおひざ元、富士市のホームページに、過去の富士山の噴火を簡潔

にまとめたページがあるのでご紹介しておきます。

富士市>くらしと市政>防災・安全安心>富士山火山について>富士山の

噴火史について

https://www.city.fuji.shizuoka.jp/safety/c0107/fmervo000000oxtb.html

 

 

この先は、著者の言を抜粋して終わります。

 

『それ(宝永の大噴火)以来、鳴りをひそめていた富士山の地下でまた地震

が起きはじめたのは、2000年の10月だった。300年もの間、静寂を

保っていた富士山が、まだ活きていることを多くの人に知らしめた事件であ

った。』・・・これは、2000年10月から、山頂で4回の有感地震(最

大震度3)や深部での低周波地震の多発が観測されたことを指しています。

 

『その後の2011年に起きた東日本大震災によって、富士山をめぐる状況

は一変した。・・・その四日後に、富士山では震度6強の直下型地震が発生

した。このとき、富士山の「マグマだまり」で、ある重大な異変が起きた可

能性があり、われわれ火山学者は全員肝を冷やした。まだ噴火が起きていな

いのは幸いと言うべきだが、もはや富士山はいつ噴火してもおかしくない

「スタンバイ状態」に入ったと、私は考えている。』・・・3.11の直後

に始まった計画停電の最中に起こった、あの富士宮地震のことです。

 

『東日本大震災の発生以降の日本列島は、今後少なくとも数十年は地震と噴

火が止まない「大地変動の時代」に突入してしまった。近い将来に南海トラ

フで巨大地震が発生することは確実視され、国を挙げて警戒中である。』

 

『富士山は江戸時代に噴火したあと、不気味な沈黙を守っている。言ってみ

れば300年分のマグマを地下に溜めたまま、いつでも噴火できる状態にあ

るのだ。』

 

『もはや富士山は、「いずれは噴火するであろう火山」から、「近い将来に

必ず噴火する火山」へと歩を進めてしまったと考えられる。』

 

『そして何より、富士山の噴火はやがて起きる南海トラフ巨大地震と連動す

るおそれがある。・・・宝永の大噴火は、それに先立って南海トラフでマグ

ニチュード9クラスの巨大地震(宝永地震)が発生してから、わずか49日

後に起きている。次の南海トラフ巨大地震は2030年代に起きると予想さ

れ、その時にはやはりこうした時間差で富士山噴火が連動するかもしれない

ことが、きわめて大きな懸念材料となっている。』

 

『20世紀以降、M9クラスの地震は全世界で8回起きているが、ほとんどの

ケースで、遅くとも地震の数年後に震源域の近傍の活火山で大噴火が発生して

いる。』

 

『富士山噴火と巨大地震の連動にどう対処するかは、わが国にとって存亡を

かけた喫緊の課題と言っても過言はないのである。』

 

 

こうしてみると、確実に近い将来に大災害がもたらされ、なす術もなく立ち

尽くすしかないかと思われますが、被害を減殺し、少しでも早期に復旧する

ための知恵や工夫が無い訳ではありません。

 

『噴火予知は地震予知と比べると、実用化に近い段階にまでは進歩して来た。

しかし、一般市民が知りたい「何月何日に噴火するか」に答えることは、残念

ながら現在の火山学ではできない。』

 

『自然の脅威に対しては、むやみに怖れるのではなく、「正しく」恐れなけ

れば立ち向かうことはできない。そのためには脅威の正体をよく知らなくて

はならない。富士山噴火がもたらす災いと恵みは、実は表裏一体の関係にあ

る。』

 

『宝永噴火の翌年には、富士山の登山客が2倍に増えたという。・・・ひと

たび噴火が起こったときは、火山学をはじめとする科学の力で、可能な限り

被害を小さくする。そして噴火が終息したあとはまた、火山の恵みをゆっく

りと楽しむ。富士山噴火を知ることは、こうした生き方を知ることにつなが

る。そしてこれこそは、世界でも例がないほど火山が密集する日本列島で

「しなやかに」生き延びる知恵といえるのではないだろうか。』

 

『東日本大震災から始まってしまった「大地変動の時代」は、日本人全員が

力を合わせるためのまたとない機会でもある。四季折々の美しい自然と共存

してきた生命力が、われわれにはあるのではないだろうか。』

 

 

なお、噴火の災害の中で、最も広範囲に、しかも長期にわたって被害を及ぼ

すであろう火山灰(ひいては泥流も)についての記述からも抜粋しておきます。

 

『かりに1707年の宝永噴火と同規模の噴火が15日続いたと想定すると、

御殿場市では1時間に1~2センチメートルの火山灰が降り続き、最終的に

120センチメートルに達する。また、富士山の山頂から80キロ離れた横

浜市では1時間に1~2ミリメートルの火山灰が断続的に降り、最後には10

センチメートルの厚さになる。・・・東京都新宿区では噴火開始の13日目

から1時間に1ミリメートル降り、最終的に1.3センチメートル降り積もる。

これにより、富士山の周辺では建物の倒壊(屋根の積灰荷重による)などの

被害が出るほか、噴火から10日過ぎには富士山から100キロメートル以

上離れた首都圏の全域で、道路・鉄道・空港・通信・金融などあらゆる方面

で影響が出る恐れがある。』

 

『宝永噴火をはじめとする富士山の大規模噴火では、最近50年間に桜島が

毎年放出してきた火山灰の200年分を超える量が、たった半月で出たので

ある。』

 


シリーズ・徒然読書録~黒木亮著『国家とハイエナ』

あれもこれも担当の千葉です。

 

読書は好きで、常時本を持ち歩く癖が付いてしまいましたが、読み方は極めて

大雑把、何かしら記憶のどこか、心の片隅にでも蓄積されていれば良いという

思いで雑然と読み流しています。暫くするとその内容どころか読んだことさえ

忘れてしまうことも。その意味で、読者の皆様には退屈でご迷惑かとも恐縮し

つつ、ブログに読書録なるものを記してみるのは自分にとって有益かも知れない

と思い、始めて見ました。皆様のご寛恕を請うところです。

 

 

徒然なるままに読み散らす本の中から今回取り上げるのは、黒木亮著『国家と

ハイエナ』(幻冬舎刊)。

 

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財政破綻した国家のデフォルト債権をタダ同然の安値で掻き集め、欧米の裁判

所に元本に遅延利息まで乗せて返済を求めて訴訟を起こし、法律論を駆使して

勝訴し国有財産を差押え、投資額の何十倍もの巨額・破格の利益を貪るハイエナ・

ファンドが存在します。日本ではあまり報道されていませんが、国際金融の現場

では、破綻国家の腐敗した権力者と、ハイエナ・ファンドと、NGOの三つ巴の

戦いが繰り広げられており、コンゴ共和国債、リベリア債務、ペルー国債、ザン

ビア債務などなど、本書にあることはすべて現実に起こったことだそうです。

著者の黒木氏の、銀行・証券・商社での長い勤務経験が可能にした金融ドキュ

メンタリー小説で、臨場感があり、説得力があります。ただ、同時に国際金融の

専門的法知識が飛び交い過ぎて、いささかスピード感に欠け、煩わしさを禁じ

得ませんでした。

 

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腐敗した権力者が自らの私利を貪り、国家を破綻させて行く。そこに付け込んで

暴利を貪るハイエナ・ファンド。その代償はみな弱者である国民に回ってしまう。

そこで無辜の民へ救いの手を差し伸べるべく、NGOが反ハイエナ法の制定を働き

掛ける。こうして三つ巴の構図が出来上がります。

 

重病の妻の医療費のためにハイエナ・ファンドの手先に成り下がってしまった

NGO職員のその後の悲惨な人生などを織り込みながら、物語が展開し、ついに

イギリス議会で反ハイエナ法が成立するも、ハイエナ・ファンドはこの法律が

対象とする最貧国向け債権以外の国家債務に触手を伸ばして行く。ギリシャ、

アルゼンチン。いたちごっこを思わせる終わり方が、この問題の深刻さを物語

っているようです。

 

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最後に。小説の中で大活躍をするNGOの首領は日本人女性で、実在の北沢洋子

さんという、この世界のヒロインだということを知り、少し救われた思いが

しました。

 


雨養生

 

花崎です

 

 

来週裾野市で上棟を迎える現場があります。

 

今の時期、雨は避けられない状況ですが、

 

現場ではこのようにして土台敷きの施工をしています。

 

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建物全体をブルーシートで覆い雨をシャットアウト!

 

構造材(木部)は濡らさないという現場監督の気概に感謝です。


「家の燃費の話です (3)」

住まいを担当している 大木です。

 

5/12日の投稿にて

「例えば、リビングでは暖房を使い快適な温度になっても、

隣のトイレは寒いままとなる場合が多いみたいです。

トイレに行く際に一枚上着を羽織ったりしますよね。

(それについての健康被害は今後投稿します)」

と書きましたので、今回はその件を投稿します。

 

そもそも家で過ごすという事は、

事件・事故や天候の急変等や災害にも会いにくく、安全だと思いますよね。

 

団らん

 

しかし、実際には家で亡くなる方の人数は、

(特に ヒートショックと言われる室内温度差での事故によるもの)

2011年の段階で交通事故で亡くなる方の人数の約4倍だそうです。

2019年現在では車の自動停止システムの増加や飲酒運転の減少により、

その人数は減っているそうですが、今尚家で過ごすほうが危険なのです。

 

その原因のヒートショックとは何か?

そもそも、人間は10°C以上の気温の変化があると

血圧が20mmHg上昇し体に負担が発生するそうです。

特に冬場の入浴の際は、暖かい リビングから 寒い 廊下を通ります。

そしてもっと寒い 洗面所で裸になり、暖かい浴槽 につかります。

急激な温度の変化を繰り返し、血圧の変化が著しく体に負担をかけます。

 

寒い

また夜中のトイレでも 暖かい ベッドの中から 寒い 廊下を通り、

寒い トイレで用を足し、体に負担がかかります。

この負担が心筋梗塞や脳卒中の引き金になります。

このような状態は一人でいるケースが多いので、

発症が遅れる場合も多々あるそうです。

 

燃費の良い家は高い断熱性能により、

廊下も脱衣所も暖房の効いたエリアと温度差が少ないのがポイントです。

断熱平面図_000001

脱衣室での体の負担も軽減し、ヒートショックの心配も減りますね。

脱衣所

やはり家の性能は少し検討したいです。

高気密、高断熱の家 には アレルギーにも有効なのです。

(その件は、次号にて)

 

長々書きましたが、もっとわかりやすい勉強会がございます!

7/20日13:30より

清水町の沼津卸商社センター(駿東郡清水町卸売団地203)にて

第2回 後悔しないための賢い家づくり勉強会 を行います!

参加して頂いた皆様から100%の満足度を頂いた勉強会です。

 

ブログの話に加え

◎お得な土地の見つけ方

◎マイホーム購入のタイミング、あなたにとって最適な時期は?

等々のセミナーを行います。

これから家をお考えの皆様、まだまだ先の予定の皆様にも

きっと役に立つセミナーです。

 

http://www.szki.co.jp/event/archives/1642

 

事前予約制となりますが、お気軽にお問い合わせください。


シリーズ・徒然読書録~金子夏樹著『リベラルを潰せ』

あれもこれも担当の千葉です。

 

読書は好きで、常に本を持ち歩く癖が付いてしまいましたが、読み方は極めて

大雑把、何かしら記憶のどこか、心の片隅にでも蓄積されていれば良いという

思いで雑然と読み流しています。暫くするとその内容どころか読んだことさえ

忘れてしまうことも。その意味で、読者の皆様には退屈でご迷惑かとも恐縮し

つつ、ブログに読書録なるものを記してみるのは自分にとって有益かも知れない

と思い、始めてみました。皆様のご寛恕を請うところです。

 

徒然なるままに読み散らす本の中から今回取り上げるのは、金子夏樹著『リベラ

ルを潰せ』(新潮新書)です。

 

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副題の『世界を覆う保守ネットワークの正体』や、帯のキャッチ・コピーにあ

る『佐藤優氏、推薦!プーチンとトランプを生み出した思想的背景がよくわか

る。世界を突き動かす保守の力を見事に解明した名著。』にあるように、『リ

ベラリズムの世界的浸透に対し、反撃を始めた保守ネットワークの全貌を綿密

な取材で描き出す、日本にも迫る価値観の戦争』の現状を紹介する入門書です。

 

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ブログやSNSでは一切政治的・宗教的な主張をしないのが私のモットーなの

で、今回も全くそういった意味での意見表明ではありませんが、大阪でのG20

開催に際してつい最近の日経新聞の記事に、ちょうどプーチン大統領の自由主

義の限界に関する主張が掲載されていたので、タイムリーな話題かとも思いま

した。なにより、国際政治の対立軸が、西洋vs東洋、資本主義vs共産主義、個

人主義vs全体主義、キリスト教vsイスラム教、ユダヤvs非ユダヤ、ユダヤ左派

vs右派、多極主義vs覇権主義、先進国vs新興国などに加えて、もう一つ付け足

さねばならないのだと自分への備忘録としても取り上げてみました。

 

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要約してみると、以下のようなことでしょうか。≪リベラリズムや個人主義の

浸透によって社会の規範性が薄れ、価値観の過度な多様化が却って社会の不安

感を増幅させ、人々の幸福感が後退している。今こそ聖書の教えに忠実に、家

族を基本とした社会の絆・一体感が求められている、と主張する有力な組織・

団体が、一方では米国のトランプ大統領の有力な支持母体であるキリスト教右

派・世界家族会議であり、もう一方ではギリシャ正教(ローマ帝国、即ちヨー

ロッパそのもの)の正当な後継者を自任するロシア正教会でありプーチン大統

領である。この両極は水面下でも繋がっており、ヨーロッパの極右・ナショナ

リズム政党やイスラムとも親和力が高い。≫

 

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最後に、印象的な文章を抜き書きして終わります。

『本書のテーマはプーチンとトランプを底流で結ぶ、この「反リベラル」とい

う思想だ。ブキャナンは「21世紀は伝統・保守主義と急進的な多文化・リベ

ラル主義が対立の軸となるかもしれない」と予測する。・・・キリスト教右派

の見立てではリベラル主義全盛の時代は続かず、これからは対立軸として伝統

や宗教に基づいた保守反動が盛り返す。価値観を巡る対立、いわば文化の対立

が激化するとみるのだ。』

 

『個人が自己実現を重視する社会で、かつての子供中心の社会は、自分中心の

社会に置き換えられた。・・・子供の出生をめぐり、個々人の利益と社会の利

益が相反するようになった。』

 

『ロシアとアメリカ両政府が多くの国際問題で深刻な対立を続ける一方、トラ

ンプとプーチンは互いへの心情的な共感を隠そうとしない。トランプはロシア

との関係改善を強く求め、対ロシアの追加制裁に後ろ向きな姿勢を見せる。』

 

『保守反動の台頭を許したのは、リベラル派に巣食う問題でもある。アメリカ

の政治学者、マーク・リラはリベラル派が人種、性別、性的指向、階級、年齢

などそれぞれのアイデンティティを重視するようになった結果、市民として同

じ社会を共有する意識を失ってしまったと嘆く。多様性や個人の尊重という美

名のもと、人々は社会全体のことよりも、みずからが所属するアイデンティテ

ィの権利を声高に唱えるようになった。リベラル派は小さなグループに細分化

し、過激な個人主義がはびこる懸念はいつになく高まっている。保守反動ネッ

トワークは、敵失を見逃さない。ロシアはアメリカの大統領選で世論を分断す

るネット工作を仕掛けたように、社会を二分することがライバル国の弱体化に

つながることを認識している。ロシアは反リベラル派のリーダーとして価値観

をともにする同盟国相手を世界に張り巡らし、国際社会で地歩を固めるしたた

かさを持っている。』