夏越しの祓い~茅の輪くぐり

あれもこれも担当の千葉です。

 

 

先週、夏至を迎えました。いよいよ夏本番だな、梅雨が明けたら本格的な

夏の到来だな、という感覚です。

 

このところ、三嶋大社さんの古典講座を受講しています。今年度は10回を

かけて、東洋大の菊地義裕先生が、『日本の心 日本の文化 ~ 古今和歌

集を読む』と題してご講義されます。

 

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紀元8世紀半ばの万葉集も『日本の心、日本の文化』を今によく伝えてはいま

すが、それらを集約し洗練し定型化した、という意味でも、また、折しも国字・

ひらがなの普及と併せて国風文化隆盛の礎となった、という意味でも、紀元10

世紀初頭に編纂された古今和歌集は、まさに『日本の心 日本の文化』をその後

長くに亘って規定することになったエポック・メイキングな金字塔なのだ、とい

うことがおぼろげながら解り出しました。

 

例えば、万葉集では、夏の歌の素材として、動物なら時鳥(ホトトギス)、蝉

(ヒグラシ)、ウグヒスが、花でも卯の花、花橘、ナデシコ、オウチ、夏草、

アヤメグサなど、数多く取り上げられていますが、古今集では動物は時鳥(ホ

トトギス)、花も春の花の時節遅れ二首を除けば花橘、蓮、撫子(とこなつの花)

しかありません。古今集の夏の歌は全部で34首ありますが、時鳥(ホトトギス)

の登場はなんと28首にも上ります。古今集では、夏=短夜=時鳥=花橘と極端

に定型化されていることが判ります。これが夏のスタンダードとなったという

ことです。

 

 

古典を読むと、時に季節に違和感を感ずることがあります。旧暦と新暦の違い

によるものです。

 

冒頭に挙げた『夏至』は新暦では6月下旬ですが、旧暦では5月上旬、まさに

夏のど真ん中。五月雨(さみだれ)は梅雨のこと、五月晴れが梅雨の合間の晴

れ間を指していたのですね。

 

一方で、新暦でも旧暦の日付のままのものもあります。例えば旧暦の5月5日

の端午の節句は新暦で言えば6月下旬、ちょうど菖蒲の季節と重なります。同

じ理屈で、七夕もお盆も夏の終わり・秋の訪れを想起させるものだった訳です。

 

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三嶋大社には今週末の夏越しの祓いの茅の輪がちょうど設置されました。

旧暦6月末は、夏が終わり1年のちょうど半分が終わる大きな節目の時。

夏を越す、まさにその日の厄払い、夏から秋への風物詩なのですね。その

ために万葉集では、よく夏越しは七夕や秋風と一緒に詠まれた、と教えて

戴きました。

 

こんな楽しい話題も交えながら進んでゆく、楽しくためになる講座です。

 

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