2013.02.20
アメリカという国のかたち~オバマ大統領就任演説
あれもこれも担当の千葉です。

 

去る1月21日に、オバマ大統領の2期目の就任演説がありました。なんと、70万

人の聴衆に向かっての演説だったそうです。

 

演説の全文が翌日の新聞に掲載されていました。



政治については良くわかりませんが、これを読んで行くと、ヨーロッパから逃れて来

たピリグリム・ファーザーズの末裔達の国であり、今も世界中から移民を受け入れ、

白人よりも有色人種の方が多くなった国、多民族・多人種国家としてのアメリカという

国のかたちが垣間見えるような気がしました。

 

『この国の結束を可能にしているのは、肌の色でも信仰でも名前の起源でもない』、

『我々は、2世紀以上前に作られた独立宣言に明記された理念(すべての人間は

生まれながらにして平等であり、生命、自由、そして幸福の追求という侵すべから

ざる権利を与えられている。)への忠誠によって、米国民という特別な存在になっ

た。』、『lこれらの真理は自明なものかもしれないが、決して自然に実現するもので

はないと歴史が教えている。』、『自由は神からの贈り物だが、地上にいる人間が

守るべきものだと歴史が教えている。』

 

米国民であり続け、アメリカと言う国を存続させるためには独立宣言の理念への

忠誠を実行して行かねばならない、即ち、生命・自由・平等・幸福は国民が努力を

して(時には戦って)守らねば実現しないものだと言う。この理念と現実を一致させ

るために『終わりのない旅を続け』ているのが、米国民であり、アメリカという国だ

と言うことでしょうか。

 

与えられるのでなく、国家と幸福は、自らが闘ってでも守り抜かねばならないもの

だとの強烈な意識があります。好んで闘う必要はありませんが,こうした自らの幸

福は自らで守るという自立心が、少し羨ましい気がします。

 



米国民の自立心が凄いなと思うのは、『我々は一貫して中央の権力への疑いを決し

て放棄せず、政府だけで社会の病巣を全て治癒できるといった虚構に屈しなかった

。』という点です。

 

今、銃の乱射事件を受けて大論争になっている銃規制の強化の是非の根底には、

自分の身は自分で守るという極めてプリミティブな信念が色濃くありそうです。これ

はたった2百年余り前でしかないアメリカ建国や西部開拓などアメリカ発展の歴史

や、多人種・多民族・多宗教の影響があるのでしょうか。

 



凄まじいまでの自立心は立派であると思う反面、外国からのみならず、隣人や自分

の国の政府からも自分の身を守らねばならない社会というのも、どこか夢の無いよ

うな気もします。かといって、戦後の日本のように大きな争いのない時代など歴史

をみれば極めて稀有で幸運な状況だとも言え、日本国民であるための努力と覚悟

を忘れてはいけないとも思いました。