2021.11.21
現場探訪 ~その1~
設計部の野呂です。

今回は、K様邸改修工事(三島市)についてご案内いたします。

 

K様邸では、内部の全面改装及び構造補強を主としたリノベーションを実施しました。

木造平屋建て銅板葺きの当建物は、昭和23(1948)年に竣工。



構造材や建具に至るまで、当時建てられたK様の先代ご当主の細部に至るこだわりが感じられる魅力ある建物でしたが、

70年以上の時間の経過とともに各所に傷みが目立っておりました。

 

都内に本宅をお持ちになるK様は、テレワークにより仕事ができる別宅として改修をご要望されました。

当建物が有している趣や材料の面白みを、K様が深く理解してくださっていたこともあり、

「本来備わっている魅力を最大限に引き出すこと」を目標に計画しました。

例えば、玄昌石の床や、格天井やイナゴ天井、富士山が描かれたガラスが組み込まれた格子建具など

「材」そのものを活かすことはもとより、静寂で趣のある「空間性」も、できる限り引き継ぎたいと考えました。

 



△玄関(改修前・改修後)・・・格天井や玄昌石が特徴的な玄関。無垢のケヤキの地板や欄間は玄関正面の飾り棚廻りに転用しました

 



△玄関通り土間(改修前・改修後)・・・リビングへ続く通り土間を新設。帰宅した家人の心が落ち着いていくような空間を目指しました

 





△LDK(改修前・改修後)・・・キッチン上部は小屋裏に隠れていた梁を露わにし空間の広がりを確保しました

 







△寝室及び書斎(改修前・改修後・イメージスケッチ)・・・床の間と違い棚をテレワークが行える書斎に改修。足を入れて座れるカウンターを新調しました

 

以上がK様邸改修工事のご案内でした。

K様には大変満足していただき、設計者としては非常に喜ばしいことです。

この場を借りて改めて御礼申し上げます。

https://www.szki.co.jp/voice/voice-10704/

 

様々な制約がある改修は、新しく生み出すことと同じくらい、あるいはそれ以上に難しいことがたくさんあります。

しかし、今あるものを次の時代に生かしていくことはとても意義があるものと感じます。

ぜひ皆様の大切な建物を次代に引き継ぐお手伝いができましたら、幸いです。