2014.04.20

穀雨~慈雨に喜ぶ花々

あれもこれも担当の千葉です。

 

建設業を営んでいると、雨は結構な厄介者。『大工殺すにゃ 刃物はいらず 雨の三日も

降ればよい』と言われるように、基礎工事やコンクリートの打設、建て方や屋根工事など、

雨の日は見送らねばならない作業が多く、塗装工事や外構工事など工程の終盤になって

降る雨は工事監督の気を揉ませる一大要素です。

 

そんな雨も、生きとし生けるものにとってはなくてはならぬもの。本日4月20日は二十四節気の

『穀雨(こくう)』。草花・樹木・穀物あらゆる植物を潤す春の慈雨、百穀春雨。瑞雨(ずいう)や

甘雨(かんう)も同じく慈しみに満ちた春の雨の呼び名です。暫くお湿りがなかったため、

先日の雨に花たちも元気づいたようです。



庭のドウダンツツジ(満天星躑躅)も可愛らしい鈴のような花を付けました。中国名から来た

とのことですが、満天星とは綺麗な呼び名ですね。

 



その横で牡丹を真似るかのように花開いているのは、な、なんとチューリップです。

茎が短く花弁も多い種のようです。

 

チューリップと言えば先日外出先で大きなチューリップに遭遇。



比較のためのタバコはロングサイズ(10㎝)。ね、大きいでしょう?

 

買い物に出た折、あまりの見事さに路肩に車を停め、手入れをされていた小母さまに

断って撮らせて戴いた藤と椿。花は勝手に咲いてくれる、と仰っておられましたが、

大変なお手入れをなさっているのが良く判ります。

大きさが、見事さが、うまくお伝えできているでしょうか。

椿はなんと3メートルの余ほどもあるんです。



最後に、現場を巡回する時の楽しみのひとつがお施主様の敷地やご近所にある素敵な

花々です。花蘇芳(ハナズオウ)の手前の花はミツバツツジでしょうか?



『穀雨』の終盤には八十八夜(今年は5月2日)。春の花々を楽しんでいるうち、

あっという間に、暦の上での夏が近づいて来ました。

 

 
2014.04.16

新生活

山本です。

自宅の引き渡しを当ブログで2月末にアップさせていただきましたが、やっと先週から新居の生活がスタートしました。

引っ越し業者さんを頼まずに、業務終了後の夜間と休日を利用して、一人で「コツコツ」と片付けと引っ越しを行ったため一ヶ月もかかってしまいました。

新居での生活がスタートしたといっても、未だに荷物の塊の中で生活をしている状況が続いています (´_`。)



リビングの写真をちょこっとご紹介

馴染みのない土地に一軒だけ新たに引っ越す形になるのでかなり不安でいっぱいですが、近隣の方々には、解体工事着工時からごあいさつをさせて頂いていたので、とても良くして頂いています。

まだ、外構工事が終わっていないので近隣の方々には、もうしばらくご迷惑をおかけしますが「これからもよろしくお願いいたします。」という気持ちでいっぱいです。



偉そうですが、今回の自分の経験を活かして、これから新居を計画されているお客様にアドバイスやご協力ができればと思っております。

 

最後に、現在安全かつ最短の通勤ルートを模索中です。

新たな土地に移り住む場合は、事前に通勤ルートを実際に同じ時間帯に何度か走ってみる必要があったなと反省しております。

 
2014.04.15

花盛り

リフォーム部の鈴木です。

 

月も替わって4月になり、急に暖かくなってからというもの、

我が家の庭の草木が一斉に咲きだしました。

 

まずは、ハナカイドウ。リンゴ属の樹木とのこと・・・



そして、シャクナゲ。

庭には、西洋シャクナゲを含めて4本あります。



※2月の大雪で何本か枝が折れました・・・

 

この花たちの後には、藤の花。そしてツツジへと続きます。

 

それから家の中には蘭の花。

花屋の店先にあるようなわけには行きませんが・・・



ハナカイドウもシャクナゲも、父が植えた庭の木々ですが、春の到来を教えてくれる木々たちです。

 
2014.04.14

春の宵の披露宴と鏑木清方展

あれもこれも担当の千葉です。

 

夜でもコートが要らない陽気となり、過ごし易い春の日々を享受しています。

週末の宵に、当社のお客様でもあり、親子で懇意にして戴いている娘さんの

結婚披露宴にお呼ばれして来ました。



『いい夫婦(1122)』ナンバーのオースチン・ロンドン・タクシーで、桜の花の舞う

三嶋大社での挙式を終えた新婚のお二人をお迎えするのも、みしまプラザホテル

さんの玄関の素晴らしい八重桜。末永く大切なこの日の桜を思い出すことに

なりますね。



会場のロビーでは、新婦の友人であり修善寺在住の切り絵作家、水口千令さんの

手になる切り絵が参加者をお出迎え。



披露宴は新郎新婦のお人柄を映して、暖かく楽しく、思い出深い春の宵となりました。

 

帰りに新婦から手渡されたお土産が『さくら最中』!



私の友人である三島の甲石製餡所さんが作り、新婦の経営するお店『シカ小屋』でも

販売されているもので、私の大のお気に入り。桜の香りが練りこまれた三島桜の

花びらを形どった最中(もなか)の皮に、自分で美味しい餡を詰めて戴くもの。

以前拙ブログでもご紹介しました。

『桜の季節は過ぎても・・・さくらもなか』 http://www.szki.co.jp/blog/archives/152

今回は餡も箱根西麓の三島甘藷の黄色い餡。いかにも春らしいお土産でした。

 

同じ週末、隆泉園の桜も盛りを越えようとする頃、佐野美術館で開催中の

『追憶の美人  日本画家 鏑木清方』展を見て来ました。鎌倉の小町通りを

少し脇に入ったところにある鏑木清方記念館が所有する作品を中心に、

全国から80点ほどの作品が一堂に会し、明治・大正・昭和と、その偉大な

生涯にわたる業績を目の当たりにすることができます。



鏑木清方といえば、上村松園と並び、美人画の双璧ともいわれる画家ですが、

江戸末期の小説家を父に持ち、自ら文学の道を歩むか絵画の道を歩むか悩んだ

経緯もあって、小説や歌舞伎、浄瑠璃への造詣が深く、清方の画業は挿絵から

スタートします。



展示の説明文書で興味深いものがありました。初期の頃、南総里見八犬伝

の作者である曲亭馬琴を描いた絵画が展覧会に落選した時、友人が清方に

したアドバイスが、『語るに多きに失する』。即ち描き込み過ぎだとの言です。



確かにこれ以降、清方の絵は簡素で清楚、気品に満ちたものとなっている

感じがします。



鏑木清方展、5月11日(日)までの開催です。春の陽光を楽しみながらご覧に足を

運ばれてはいかがでしょうか。

 
2014.04.11

私、ハマってます・・・

営業事務の浅賀です

 

我が家が最近ちょこちょこ利用するのが

聞いた事や行った事がある方が多いと思いますが

アメリカに本社がある会員制倉庫型卸売小売チェーンの『COSTCO』

会員制なので年会費4200円を払い、会員本人と家族会員として大人2名会員になれます。

入場できる人数は1枚の会員カードで会員本人と非会員の大人同伴者2名の計3名が入場できるようになっています。

中学生以下の子供は何人でもOKです。

 

この辺で一番近いコストコは神奈川県座間市にある座間倉庫店。

我が家も座間市のコストコを利用します。

土日ともなると非常に混雑しています。

 

アメリカンスタイルなのでとにかく店内も広いし1つ、1つの商品も量が沢山

ショッピングカートは日本のスーパーマーケットなどとは大きさが違い米国でみられる大型のもの。

座間倉庫店のカートは未就学児の子供が二人横並びに座れてしまうぐらいの大きさです。



三島からだと少し遠いので年に何回しか行けませんが、だからこそなのか、

私は買い物というより遊びに行く感覚で楽しい気分になります。(笑)

 

そこで我が家が必ず買ってくるオススメ商品を紹介します。

 

・ディナーロール36個入り



とにかく安くコストコで人気のロールパンです。味はプレーンで甘みも少ないです。

36個入りで498円。(増税前の値段なので変動していると思います)量が多いので

我が家では半分は冷凍保存しています。

他のお客さんのカートを見ても結構な確率でディナーロールがカートに

入っているのをみかけます。

 

・ミニオンパンショコラ



チョコクロワッサンです。24個入りで828円(増税前の値段です)

私が好きでついつい買ってしまいます。

オーブンで少し焼いてから食べるとより美味しくなります。

 

・コストコ四角ピザ5色チーズ



1辺43cmの四角ピザが1400円です。(増税前の値段です)とにかく大きい。

家に帰ってきてから小分けに切りわけて1つ1つラップに包み冷凍保存しています。

帰ってきてからやるのがとても面倒ですが、ピザが好きな私はこれまた必ず買ってしまいます。

 

まだまだ沢山紹介したい商品がありますが、

今日は我が家が必ず買って帰る3品を紹介させていただきました。

 

最後に、コストコ商品は量が多いので、

行く際にはあらかじめ冷蔵庫・冷凍庫をからっぽにしておく事を忘れずに。

 

 
2014.04.10

鮎壺公園のニューフェイス

住宅部の山入です。

4月も10日近く過ぎ、すっかり春らしくなってきました。

毎朝の愛犬との散歩もとても気持ちの良いものです。

 



桜もすっかり葉桜へと変わりつつあります。ケヤキの新葉の

やわらかい緑とシモクレンの紫の花の色が、

朝日の中でとても心地よいコントラストを奏でています。



ドウダンツツジもかわいらしい花が咲かせ始めました。

 

 

ところで、今日の本題の「鮎壺公園のニューフェイス」とは?



3月末に今までポツンと立っていた鮎壺の滝の「県指定記念物」

の看板の左横に新しい看板が立ちました。

鮎壺の滝が新しく、「北伊豆エリア:鮎壺の滝ジオサイト」として

登録(?)されたようで、「鮎壺の滝」の成り立ちが詳しく紹介されています。

皆さんも、気が向いたら寄ってみてください。

 
2014.04.09

今シーズン最終戦

営業事務の内田です。

ぽかぽかと春らしくなりましたね。近くの旧旧月ヶ瀬小学校の跡地の桜が満開をすぎ、ひらひらと舞う花びらが、庭にも落ちてきます。我が家のわんこもにゃんこも楽しそうに眺めています。不思議なんでしょうね…。

 

さて、娘のことを少し…。

週末、今シーズンの最終戦に行ってきました。種目はスーパーG。木曽のおんたけ2240というところでのレースでした。

前走者にソチパラリンピックの滑降で活躍された、狩野さん(金メダリスト)、森井さん(銀メダリスト)が滑りました。コースの途中にはジャンプする場所もあり、見ている人たちはみな感動。すごい…。さすがです。

SG第2戦では、スキークロスの瀧澤選手が、遅いスタートでしたが海外の招待選手に次いで6位という結果で、さすがの滑走にゴールで思わず拍手してしまいました。娘もため息…。

 

小学生の頃遊び半分で始めたスキーがやみつきになり、高校生になっても、親に何度も「もうやめなさい。」と言われても、金曜日になるとスキーの支度をはじめて、車に道具を積み込む娘に仕方なく付き合って、幾度となく雪国へ足を運びましたが、今年も無事にシーズンを終えることができました。



2月に行われた、福島猪苗代でのインターハイでは、GS(大回転)、SL(回転)に出場、結果は本人にとっては納得できるものではなかったようですが…。

その後の国体は山形蔵王で行われ、少年の部女子に参加させていただきました。記録的な大雪のさなか色々大変でしたが無事に終了。関係者の方々に感謝、感謝です。

高校のホームページにも載せていただきました。今年は、同じ高校にもう一人スキーに没頭している新人が入ってくるそうです。

思えば、娘はモーグルスキーの上村愛子さんにあこがれてスキーを始めたのですが、今シーズンで引退されました。さびしいですね。でも、ソチでは娘と同年代の若い人たちが活躍しました。今後も大きく育っていってほしいと思います。



娘はスキーをやったことで、全国各地に友達ができたようで、大きな宝ものになりました。



静岡をしょって立つ 未来のレーサーです。

 

ところで、子供の大会を見に行くと、多くの方がご挨拶をされるのですが、必ず出てくる言葉が「感謝」です。君たちは、一人ではなにもできないんだよ。まわりの大人に感謝することを忘れるな!と。

本当にそうですね。私も感謝の気持ちを忘れないように日々過ごしたいと思います。
2014.04.08

自宅の建て替え《完成》

設計グループの川口です。

おかげさまで、3月上旬に自宅が無事完成しました。



完成直前の思わぬ大雪で、

雨といとかが壊れてしまうのではないかとドキドキしましたが

無傷でした。さすが鈴木工務店。

建て替えを期にダイニングセットを買い替えました。

日進木工のダイニングセットです。質感と座り心地は最高です。



かなり予算オーバーだったのですが、お店で気に入ってしまって

勢いで買ってしまいました。大切に使います。

3月中旬に引き渡しと引越しが完了し、現在は快適に暮らしております。

 

 
2014.04.07

シリーズ・徒然読書録~『他人を許せないサル』

あれもこれも担当の千葉です。

 

読書は好きで、常時本を持ち歩く癖が付いてしまいましたが、読み方は極めて大雑把、

何かしらからだのどこかに蓄積されていれば良いという思いで、雑然と読み流します。

その意味で、読者の皆様には退屈でご迷惑かとも恐縮しつつ、ブログに読書録なるも

のを記して見るのは自分にとって有益かも知れないと思い、始めて見ました。皆様の

ご寛恕を請うところです。

 

徒然なるままに読み散らす本の中から今回ご紹介するのは、正高信男著『他人を

許せないサル~IT世間につながれた現代人~』(講談社ブルーバックス)。

以前にご紹介した香山リカ著『悪いのは私じゃない症候群』(ベスト新書)

http://www.szki.co.jp/blog/archives/2151

や片田珠美著『正義という名の凶器』(ベスト新書)

http://www.szki.co.jp/blog/archives/2168

とテーマが重なる本です。

 

早速『はじめに』から著者の言葉を引用してみます。

「二十一世紀に入った日本社会の時流の特徴を、ひとことで表現するならば

『ひとり勝ち』に見えるかのような時代と言えるのではないだろうか。」

「世間で評判になると自分も手にとる、という風潮がとても強い。ただし、すぐに忘れる。」

「百家争鳴する世間の注目が常時限られた一点に集中するものの、長続きせず、

めまぐるしく移動するようになった。」

「時を同じくして、IT化の中で『ひとり勝ち』したかのように見えるのがケータイである。・・・

ケータイに群がり日本人のサル化現象が目立つようになってきた。・・・日本人の心は

ケータイに鷲づかみにされてしまったかのようだ。」

「どう考えても何かがおかしい。一体どうなっているんだろうと考えたあげくにできたのが

本書である。」

 



著者はまず、日本人のケータイとの関係性について、世界で最もモバイル・

コミュニケーションの発達したフィンランドを始め、欧米との差異を取り上げている。

ケータイを使う時間は圧倒的に日本人が多く、メールのやり取りに至っては、

欧米人がひと月に20~30通であるのに対して日本人は一日で数十通というのも

珍しくない。それだけ日本ではケータイに依存している現代人が増えているという。

フィンランドとは反対に、日本ではケータイがライフスタイルを大きく変える影響力を

持っている。

 

その差の原因を著者は、日本が農耕文化、即ちムラ文化に源を発する『世間』文化

に浸かっており、自分と世間との境界があいまいな(言い換えれば自我が薄い)

のに対し、欧米は神と各個人の契約関係が基礎にあり、自我意識が強い点に

求めている。

 

世間体を気にし、世間付き合いを殊更大切にする。お中元やお歳暮は戴いたら返し、

皆と異ならぬよう、目立たぬよう、決して村八分(同調しない者を排斥することによって

結束力が高まる)にならないように細心の注意を払う。これがケータイと結びついて、

メールを貰ったら送り返し遣り取りは際限なく続き、メーリング・リストの村八分に

ならぬよう細心の注意を払う。どこでも見られている神様がいないため、匿名性は、

誰にも見られていないことと同じとなり、攻撃性を強め、中傷非難メールの花盛りを

もたらす。

 

著者が挙げている例を一つ。

「大学の授業で学生に匿名で感想文を書かせると、平気で無茶苦茶なことを書いて

くるという話をよく耳にする。ところが、実名となると、途端にその現象はウソのように

消えると。その心のあり方は欧米人にはない。・・・例えば、大学のレポートの課題で、

もし他の学生と同じ文章、また不正な引用をしようものなら、退学は免れない。

自分の言動に対する責任は、子どものころから培われている。だから、匿名で

他人のブログやサイトに書き込みをする行為は倫理に反するとみなされる。」

 

成程なるほどと得心行く分析が繰り広げられています。ケータイの出現が新たな

『ケータイ世間』を産み出したという訳です。かつての世間が『地縁世間』であったと

すると、現代の『ケータイ世間』は、『電脳縁世間』だと著者は評しています。

 

ひとつ腑に落ちない分析がありました。

「ケータイに依存して仲間と群れ、電車の中で鏡を取り出して化粧をしたり、

菓子パンなどをパクついて(先日は、何と一人でカップラーメンを食べている

女子高校生を目撃した)平気でいられる若者と、外界との交渉を絶った

ひきこもり現象とは、意外に共通性があるのではと筆者には映る。結局のところ

両者とも、『家の中』=私的空間から、『家の外』=公共の場に出ることを拒否して

いるのではないか。だから、前者の場合は、あたかも家にいる感覚で、地べたでも

どこでもくつろいでしまう。電車の中で隣の人に寄りかかりながら居眠りしてしまうのも、

まったく無防備になれる家の中の延長なのだろう。」

 

私には、電車の中が『家の中』の感覚だからではなく、悲しいことに、電車の中が

彼らにとっては家の外の『世間』の更に外側だからではないかと思えてなりません。

彼らにとっての『世間』は仲間であり気になる相手ですが、その外側の社会(電車の中)

は気にする必要のない相手としか映っていないのではないでしょうか。傍若無人

の文字そのもので、傍らに(自分にとって意味のある)人の無きが若く思っている

のではないかと恐れます。自分にとって意味のある『世間』や『社会』が極めて狭く、

その中だけで暮らして行けると勘違いしてはいないか。その方が社会としたら重症だと

感じます。もしかするとそれは杞憂で、単純に親や大人が『はしたない』、『他人に迷惑を

掛ける』からしてはいけないと教えていないだけで、教えられれば変わるのかもしれません。

そうであって欲しいと願います。

 

エピローグで著者は、以下のように対策を提起していますが、極めて効果的で充分

なものとは感じられません。それだけ難しい問題なのですね。

「どれほど情報化が発達しようとも、日本人は世間に住むことから抜け出せないのかも

しれない。それならば、グローバリゼーションというような幻想を捨て、古風である

けれども良い意味での世間付き合いを営むために情報メディアを積極的に活用する術を

考えなくてはならない。同時に『世間付き合いの悪弊』を取り除く努力も不可欠だろう。

当面のところ、急務の課題としては、匿名のままでアクセスすることが不可能なシステム

の構築があげられるだろう。さらにネットでメッセージを送る際のマナーとしての修辞法

の確立が最火急の課題の少なくとも一つであることには疑問の余地がないように思える

のである。」



『悪いのは私じゃない症候群』、『正義という名の凶器』そして『他人を許せないサル』、

ネーミングが3作ともに優れていますが、ネーミングだけで言えば『悪いのは・・・』が

秀逸でしょうか。面白さから言うと、欧米との比較から日本古来の『世間』文化に結び

つけて分析した『他人を・・・』が抜きん出ていると思いますし、この風潮の行き着く先の

恐ろしさへの警鐘としては『正義と・・・』が良かったと感じます。ただ3作に共通して

残念なのは、有効な対策・解決策を殆ど提起できていないところです。それだけ困難な

問題なのでしょう。

 

あまりしつこいと飽きられてしまいそうなのでこのテーマに関しては当面この3部作で

一段落終了としますが、3作ともに有効な対策・解決策を提案できていないように、

『ネット社会と結びついた昨今の日本の他責的風潮、付和雷同的風潮の蔓延』というテ

ーマは、今後も注目を集め続け、これを扱う本も出版され続けるでしょうから、またいつ

かこの手の本のご紹介をすることになるかも知れませんね。

 
2014.04.03

何のために?

管理部三須です。

4月の人事異動で総務チームから管理部所属となり、心機一転です。

 

さて、皆さんは「トランスジャパンアルプスレース」という大会をご存知でしょうか?

一昨年、NHKスペシャルでレースの模様が放送されたので、昨今のマラソンやトレイルランニングの人気もあり、ご覧になったことがある方もいらっしゃるかと思います。

http://www.tjar.jp/2012/about/index.html

 

このレースの詳細を記した『激走!日本アルプス大縦断』という本があったので、読んでみました。

 



本の帯封に記載されている文言を読めば、このレースの「滅茶苦茶」さが判ります(表現は悪いですが)。



「走る」という簡単な表現では不適切です。

「ウルトラマラソン」と「トレイルランニング」に、「スピードを求めた登山」の要素が織り込まれた想像を絶するレースです。

10kmや20km走るだけでも大変なのに、こんなことが出来る人がいることすら信じられません。いったいみんな何のために参加しているのでしょうか?

 

この本には、このレースに参加した28名それぞれの「人間ドラマ」が描かれています。

 

実はこの本を読もうと思ったのは、このレースに私の高校時代の同級生が参加していたからです。

その彼は、何とこのレース直前に甲状腺にガンが見つかり、手術を経てガンを克服したなかで、「参加するのは今しかない」との思いから大会参加を決意したそうです。

南アルプスで母親から受けた声援や、ゴールで家族に迎えられるシーンは、思わずウルッとしてしまいました。

 

「自分ももうちょっと頑張らないと!」と考えさせてくれた本でした。